法定福利費

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勘定科目の一つである「法定福利費」(読み仮名:ほうていふくりひ、分類:営業損益)に関する解説です。どういった時に使用される勘定科目なのかの説明と、具体的な仕分けのサンプルを掲載しています。

法定福利費とは

法定福利費とは従業員の福利厚生のために法律で定められた額を支出する費用のことです。

福利厚生費の中の1つとして法律で定められている費用分です。社会保険(健康保険と厚生年金保険)や労働保険(雇用保険や労災保険)などが含まれます。

法定福利費はどのような時に使用されるのか

「法定福利費」科目がどういった時に使用されるものなのかについて確認します。

従業員負担分の天引き

法定福利費は会社負担分と従業員負担分があります。従業員負担分は給料の支払時などに天引きします。なお健康保険料のように従業員負担分を預かってからまとめて支払う場合は「預り金」で、雇用保険料のように先に従業員負担分も含めて支払ってから後から従業員負担分を徴収する場合は「立替金」を使用します。

(借方) (貸方) 
給料xxxx 預金xxxx
   預り金xxxx

法定福利費の支払

会社負担分と従業員負担分をまとめて法定福利費を支払います。

(借方) (貸方) 
法定福利費xxxx 預金xxxx
預り金xxxx   

「法定福利費」科目の仕分けサンプル

では具体的な取引毎に仕訳のサンプルを見ていきます。

従業員に対して給料を20万円支払った。支払の際には社会保険料2万円を差し引いた。

(借方) (貸方) 
給料200,000 預金180,000
   預り金20,000

月末に社会保険料として会社負担分30万円と従業員負担分として預かっている20万円を合わせて納付した。

(借方) (貸方) 
法定福利費300,000 預金500,000
預り金200,000   

5月に労働保険料として会社負担分40万円と従業員負担分30万円を合わせて納付した。

(借方) (貸方) 
法定福利費400,000 預金700,000
立替金300,000   

従業員に対して給料を20万円支払った。支払の際には労働保険料3万円を差し引いた。

(借方) (貸方) 
給料200,000 預金170,000
   立替金30,000

( Written by Tatsuo Ikura )