勘定科目「車両費」に関する解説と仕分例

勘定科目の一つである「車両費」(読み仮名：しゃりょうひ、分類：販管費)に関する解説です。勘定科目に関する解説を行ったあと、勘定科目を使った仕訳例を使って実際の仕分の仕方を解説します。

車両費とは

「車両費」は、企業が業務用として所有・使用する車両にかかる費用を計上するための勘定科目です。具体的には、車両の維持・管理、運行に関わるコストが含まれ、営業活動や配送業務、移動のために使用される車両にかかる日常的な費用を表します。業務で使用される車両がある企業では、車両費が重要な経費の一つであり、損益計算書では「販売費及び一般管理費（販管費）」として処理されます。

車両費は、車両の所有・維持・使用に伴う多岐にわたる費用を含み、以下のような項目が該当します。

• 燃料費：ガソリン代や軽油代などの燃料費。車両の走行に直接かかる費用。
• 整備・修理費：車検、定期点検、タイヤ交換、バッテリー交換などの整備や修理費用。車両の安全と長期使用のために欠かせません。
• 保険料：車両保険や自賠責保険の費用。交通事故などのリスクに備えるための保険料。
• 車両リース料：リース契約によって車両を借りている場合のリース料。リース契約がある場合、リース料も車両費に計上されます。
• 駐車場代：業務用車両の駐車スペースを確保するための駐車場代。
• 高速道路料金：営業活動や配送業務のための高速道路利用料金も車両費に含まれることが一般的です。

企業の活動によっては、車両費が大きな割合を占めることもあり、特に運送業や営業職が多い企業では、車両費の管理が重要です。適切な管理により、業務の効率化や経費削減を目指すことができます。

車両費はどのような時に使用されるのか

車両費は、以下のようなケースで使用されます。

• 営業活動や配送のための燃料費
  営業担当者が顧客訪問や取引先回りのために社用車を利用する際のガソリン代が車両費に含まれます。また、製品や商品を配送する際の車両の燃料費も含まれます。
• 車両の定期点検・修理費
  安全な運行を維持するために必要な点検や修理、タイヤやオイル交換の費用も車両費として計上されます。車検やバッテリー交換などの費用も含まれます。
• 車両保険料の支払い
  万が一の事故や車両の故障に備えて加入している保険料も車両費に含まれます。自賠責保険、任意保険の費用が該当します。
• リース契約による車両使用料
  リースで車両を借りている場合、そのリース料も車両費に計上されます。これは、リース期間中に毎月支払う費用です。
• 営業車両の駐車場代
  業務に使用する車両のための駐車場を借りる場合、その費用も車両費に計上します。特にオフィス近隣に駐車場を確保する場合に発生します。

車両費の仕分例

「車両費」を使った具体的な仕分例です。

営業用のガソリン代を現金で支払った

営業用のガソリン代3,000円を現金で支払った場合：

借方：車両費 3,000円 / 貸方：現金 3,000円

車検費用を普通預金から支払った

車検費用20,000円を普通預金から支払った場合：

借方：車両費 20,000円 / 貸方：普通預金 20,000円

車両保険の月額保険料を現金で支払った

車両保険の月額保険料5,000円を現金で支払った場合：

借方：車両費 5,000円 / 貸方：現金 5,000円

車両リース料を普通預金から支払った

車両リース料15,000円を普通預金から支払った場合：

借方：車両費 15,000円 / 貸方：普通預金 15,000円

業務車両の駐車場代を普通預金から支払った

業務車両の駐車場代として月額8,000円を普通預金から支払った場合：

借方：車両費 8,000円 / 貸方：普通預金 8,000円

高速道路料金を現金で支払った

高速道路料金2,500円を現金で支払った場合：

借方：車両費 2,500円 / 貸方：現金 2,500円

タイヤ交換費用を現金で支払った

タイヤ交換費用10,000円を現金で支払った場合：

借方：車両費 10,000円 / 貸方：現金 10,000円

著者 / Tommy Ikura

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